尿たんぱくと尿潜血は、別のものを調べる検査
尿たんぱく:尿中のたんぱく質を調べる
結果票では「尿蛋白」と書かれることもあります。健康な人の尿にも微量のたんぱく質は含まれますが、増えている場合は腎臓や尿の通り道の異常を確認する手がかりになります。一方、運動後や発熱時などに一時的に陽性になることもあり、再検査などで区別する必要があります。[1]
尿潜血:尿に血液が混じっている可能性を調べる
尿検査では、尿に試験紙を浸して潜血反応を調べる方法がよく使われます。ただし、試験紙の反応だけでは尿中の赤血球や出血の原因は確定せず、必要に応じて尿沈渣(尿中の細胞などを顕微鏡で調べる検査)などで確認します。[2][3]
血尿の原因は腎臓の病気だけでなく、尿の通り道の炎症や結石などさまざまです。尿たんぱくと尿潜血が両方陽性の場合も、片方だけの場合も、結果だけで原因や病名を決めないでください。両方の異常があることは、診察で伝える重要な情報です。[1][3]
「-」「±」「+」「2+」などは検査反応の表記であり、病気の進行度をそのまま示すものではありません。検査方法による差もあるため、記号だけで判断せず、各項目の判定と医師のコメントを一緒に確認しましょう。[2]
一度の結果で決めつけず、採尿条件を確認する
日本腎臓学会は、尿たんぱくの評価では運動後・発熱時・月経時などの状況に注意し、身体的要因を除いて別の日に再検査することを説明しています。血尿のガイドラインでも、月経や激しい運動などの影響を確認することが示されています。[1][2]
- 運動・体調:採尿前に激しい運動をしたか、発熱などがあったかを思い出して伝えます。
- 月経:月経中に採尿した場合は、血液が混入する可能性があります。再検査の日程を予約先に相談し、原則として月経時を避けるなど、医療機関の指示に従います。
- 尿を採った時間・方法:早朝尿(起床後最初の尿)か、受診時に採った尿かを確認します。早朝尿での再確認が必要かは、検査の目的に応じて医療機関に確認してください。
- 容器と提出方法:指定された清潔な容器を使い、採り方や提出時刻・保存方法の案内を確認します。一般に中間尿(出始めの尿ではなく、排尿の途中の尿)を採りますが、実際には施設の指示を優先します。
早朝尿の利用は日本腎臓学会の一般向け資料、月経・中間尿・採尿後速やかに検査することは「血尿診断ガイドライン2023」の採尿方法の項に基づいています。[1][2]
「運動したから」「月経中だったから」と原因を決めつけて、再検査や受診を取り消さないでください。条件の影響かどうかも、医療機関で確認する必要があります。
再検査・受診の目安は、結果票の指示と異常の続き方で確認
1. 再検査や精密検査の指示がある
結果票の検査項目ごとの判定、受診時期、紹介先を確認し、案内に従って予約します。「要精密検査」とある場合に、自己判断で同じ健診を受け直すだけで済ませないでください。時期や受診先が不明なら健診機関へ問い合わせましょう。日本予防医学協会も、指定日時・医療機関の案内を優先し、分からない場合は相談するよう案内しています。[4]
2. 再検査でも陽性が続く、前年から繰り返している
尿たんぱくや尿潜血の異常が続く場合は、過去の結果票も持参し、医師に原因や追加確認の必要性を相談してください。両方が陽性の場合はそのことも伝えます。症状がないことだけで翌年の健診まで放置しないでください。日本腎臓学会・日本泌尿器科学会は、血尿が見つかった場合に症状がなくても早めの専門医受診が大切と説明しています。[1][3]
まずは結果票の指定先やかかりつけ医へ相談できます。尿たんぱくを伴う場合は腎臓内科、血尿や尿の通り道の異常の確認は泌尿器科が関わりますが、受診科を結果だけで自己決定する必要はありません。迷ったら健診機関に確認してください。[1][3][4]
3. 尿が赤い・血が混じるなどの症状がある
目で分かる血尿は、痛みがなくても重要なサインです。予定された再検査や翌年の健診まで待たず、早めに医療機関へ相談してください。排尿時の痛み、背中や脇腹の痛み、発熱などがあれば、それも伝えましょう。「至急受診」などの連絡がある場合は、後回しにせず速やかに受診してください。[2][3][4]
相談時には、結果票と採尿時の状況を伝える
診察で確認しやすいよう、次の情報を整理しておきましょう。ガイドラインでも、検尿異常の経過、病歴、症状、採尿条件や服用中の薬などを確認しています。[2]
- 今回と過去の結果票:検査日、尿たんぱく・尿潜血の表記、判定、再検査や受診の指示。同封された紹介状・案内があれば一緒に持参します。
- 採尿時の状況:運動、発熱、月経の有無、尿を採った時間や方法。
- 今の症状と経過:目で分かる血尿、排尿時の痛み、発熱、背中や脇腹の痛み、むくみなどがあるか、いつからか。
- 病歴・薬など:過去に尿検査の異常を指摘されたか、持病や治療中の病気、使用中の薬・サプリメント、喫煙歴。
受診時は「いつ、どの項目が指摘され、採尿時はどんな状況だったか」を伝え、次の検査の方法と時期、結果の確認方法を尋ねてください。薬やサプリメントの使用状況を伝え、検査のために変更が必要かは医師・薬剤師に確認し、自己判断で中止しないようにしましょう。
あわせて確認したい健診ガイド
出典・参考資料
- 日本腎臓学会「2. 腎臓検診でわかること」。一般向け資料の「蛋白尿」「血尿」「尿沈渣」を参照。尿たんぱくの意味、一時的な陽性と採尿条件、別の日の再検査、早朝尿の利用、専門科への相談について。
- 日本腎臓学会・日本泌尿器科学会ほか6学会編集「血尿診断ガイドライン2023(PDF)」(2023年6月30日発行)。ⅠのBQ3・BQ4、ⅡのBQ6・BQ7・BQ10を参照。採尿方法、月経の影響、試験紙の感度差、尿沈渣での確認、問診・専門医への紹介について。医療従事者向けの資料を一般的な説明に用い、個別の検査・受診判断は医師に委ねています。版・公開状況は日本医療機能評価機構「Minds掲載ページ」で確認しました。
- 日本泌尿器科学会「尿に血が混じる。血尿を指摘された」。一般向け資料。目で分かる血尿と検査で分かる血尿、原因の多様性、症状がなくても早めに相談すること、泌尿器科受診について。
- 一般財団法人日本予防医学協会「健康診断全般Q&A」の「健診後」。同協会の受診案内の優先、受診先の相談、結果票の持参、至急の受診連絡、自覚症状がなくても二次検査を受けることについて。
資料確認日:2026年10月6日。検査方法・判定・採尿の案内は実施機関や検査目的により異なります。資料は改訂されることがあるため、最新の公式情報と自分の結果票の指示を確認してください。
※この記事は一般的な情報提供を目的とし、医師による診断や治療の代わりではありません。個別の健診結果については、結果票の指示に従い医療機関へご相談ください。